一過性のb型肝炎とは?すぐに治る人と持続する人の違い・感染経路・症状を解説

b型肝炎という病気を聞いたことはありますか?b型肝炎は一過性で治る人もいれば、生涯にわたって治療を続けなければならない人もいます。はたしてこの違いはいったいどこにあるのでしょうか?一過性のb型肝炎と持続性のb型肝炎の違いや、原因・症状などをわかりやすく解説していきます。

また、日常生活の中に潜む感染の危険性についても書いていくので、気になる人はチェックしてみてください。

肝臓はどんな働きをしている?

肝臓はよく「沈黙の臓器」と呼ばれます。なぜなら、病気になってもなかなか自覚症状があらわれないからです。自覚症状が出たときにはすでに重症だった、ということも珍しくありません。さて、肝臓は私たちの日常のなかで大切な役割を持っています。

たとえば食物を摂ったときには体の中に老廃物ができますが、これは本来体にとって害になるものです。肝臓はこの有毒物質を無害にさせてから尿として排出させます。また、食べ物自体が有毒だった場合でも、肝臓で無害な化合物へと変化させて体に害が及ばないように守っています。

この他にも、胆汁を作ったり、栄養分を蓄えたり、薬物を摂取したときに解毒したりと、健康でいるためには欠かせない働きをしている臓器なのです。

b型肝炎はどんな病気?

肝炎とは肝臓の細胞が壊れて肝臓が十分に働かなくなる病気のことです。ウイルスによって感染することが知られており、ウイルスの種類によって「a型肝炎」「b型肝炎」「c型肝炎」「d型肝炎」「e型肝炎」と分類されています。

b型肝炎ウイルスはおもに血液によって感染し、9割の人は治癒しますが、1割の人は劇症肝炎や慢性肝炎に進行するといわれています。また、b型肝炎の母親から生まれた赤ちゃんは、母親の胎内や、誕生するときに血液や体液と接触することから、誕生と同時に治療が必要となります。

日本では100人に1人の割合でb型肝炎ウイルスに感染しているといわれ、そのうち8割近くが一過性です。

一過性のb型肝炎とは?

b型肝炎には「一過性感染」と「持続感染」があります。「持続感染」はほとんどが出生時や免疫機能が発達していない幼児期に感染した場合です。免疫力が低いので感染状態が長く続き、慢性肝炎や肝硬変へと移行する場合があります。

成人がb型肝炎に感染した場合は「一過性感染」です。自覚症状がないまま治ってしまうことも多く、自分がb型肝炎に感染していることすら気づかないので、無意識のうちに感染を拡大させてしまうこともあります。一過性の場合でもおよそ2割程度は急性肝炎を発症しますが、この場合でもほとんどの場合は治癒します。

しかしごくわずかに劇症肝炎に移行することもあるので、決して放置していい病気ではありません。

b型肝炎になるとどんな症状が出る?

b型肝炎はウイルスに感染してもすぐに症状が出るわけではありません。感染してから症状が現れるまでは半年ほどかかることもあります。そのため、どこで感染したのかなかなか思い出せないということもあります。

b型肝炎ウイルスに感染すると、発熱や倦怠感、食欲不振、嘔吐、黄疸などの症状が現れます。

このような症状があっても「ただの風邪だろう」と病院にも行かず、そのまま治ってしまう人が多い一方で、急性肝炎を発症し、そこから劇症肝炎へと進んでしまうこともあります。劇症肝炎になると肝臓の細胞が破壊され、意識障害をきたすことさえあります。

特徴的な症状としては40℃を超えるような高熱や強い倦怠感、吐き気などです。

b型肝炎の原因は?

持続感染のほとんどは「母子感染」といって、b型肝炎ウイルスに感染したお母さんから感染します。出生後に感染した場合でも、幼い子供は免疫力が低いために持続感染です。一過性感染は一般的に成人以降に感染した場合ですが、自覚症状が現れるまでに数か月もの長い時間がかかるので、b型肝炎と診断されても感染経路を思い出せない人もいます。

しかしほとんどは血液から感染するので、他人との血液や体液の接触が原因です。とくに男性の場合は毎日髭剃りをしますが、家族でカミソリを共有していたり、誰かから借りて使うなどの行為は感染の可能性を高めます。また、衛生的ではない医療機関での注射の使いまわしやピアスの穴あけなども原因になります。

さらに、性行為での感染も少なくありません。感染経路はさまざまですが、多くは「母子感染」「血液」「性行為」のいずれかです。

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b型肝炎はどんな検査でわかる?

ほとんどの人はこれといった症状もないままですが、医療機関で血液検査をしたときに指摘されることが多いです。重症の場合は超音波検査やCT検査も並行して行いますが、肝臓の機能を調べる「AST」「ALT」「結成ビリルビン値」といった血液検査でわかります。

他にも陽性であれば感染していることを示す「HBs抗原」「HBc抗体」、過去に感染したが治癒したときに陽性になる「HBs抗体」、半年以内に感染したときに陽性になる「HBc-IgM抗体」、他人を感染させる危険性があるほどウイルス量が多いときに陽性になる「HBe抗原」、ウイルスの増殖力が低下しているときに陽性になる「HBe抗体」などがあります。

b型肝炎の治療法

b型肝炎はもともと自然治癒することが多い病気です。何もしなくても自覚がないまま治ってしまうこともあります。医療機関を受診した時も、急性肝炎であれば、栄養や水分を補給するための点滴などが主体になります。安静にして水分と栄養をきちんと摂ることが治療になりますが、これは治療の必要がないということではなく、医療機関で劇症化を防ぐために観察することが大切なので、体調に異常を感じたら医療機関を受診するのがベストな選択です。

しかし慢性肝炎に移行した場合はインターフェロンや核酸アナログ製剤などによる抗ウイルス治療をしていくことになります。また、免疫療法として副腎皮質ステロイドホルモンを併用することもあります。これらのうちどの治療法を選択するかは、年齢やウイルスの量などによって専門医が判断していくことになります。

b型肝炎のペグインターフェロン療法とは

b型肝炎を予防するにはどうしたらいい?

b型肝炎の感染原因は「母子感染」「血液」「性行為」なので、この3つに焦点を絞って対策していくことが必要です。「母子感染」は妊娠を希望した女性が医療機関で検査を受ければ、妊娠する前に治療を受けて母子感染を予防できます。

「血液」は範囲が広いのですが、カミソリや歯ブラシなどは血液が付着しやすいものです。自分以外の人と共有するのは危険です。また、ピアスをあけるときに友達の器具を借りたり、注射針の使いまわしをしたり、不衛生な国の医療機関で治療を受けたりすることも感染の危険性があります。

最後に「性行為」ですが、不特定多数との性行為は非常に危険です。また、特定のパートナーがいる人でも、粘膜が傷つくことで感染する可能性があるのでコンドームを使用すると安心です。